住まいづくり講座 VOL6  夏期結露 



 
床下が湿るのは夏季結露です
 
体中がジトッーと湿るような日本の梅雨は不快です。
家も湿度とカビで苦手な時期です。
気象庁のデータで、年間の温湿度を眺め回してみると、「日本の家は、湿度と戦う家」と思えてきます。
日本の家は梅雨を旨とすべし。
 
夏に結露とは、大気の影響を受けにくく、温度の低い床下などが、外気の相対湿度を上回り、どんどん露点に近づいていく現象です。
昔から、日本家屋の床下は外に開放され、仕切りがありませんでした。家そのものが、雨戸や障子を開けると、床だけが宙に浮いて、風が通り抜ける構造でした。
 
近年になって、住宅の床下が基礎で塞がれ、外周に極めてわずかな換気口をとるようになりました。湿気を飛ばすほどの開口は構造的に取れません。梅雨時その開口から湿度88% もの湿った空気 が入り、より湿潤になるのが床下の夏期結露です。年中、からっとする間がないほど深刻です。
 
最近では、外断熱や基礎断熱についての(住宅金融公庫監修)「木造住宅標準仕様書」の基準づくりもあって、基礎の外側を断熱し、床下を室内気候とする方法が増えていますが、夏期結露は壁体内逆転結露とあわせて細かい条件を整える必要があります。
 
きなりの家は、外で断熱した地中梁を組み込んだ逆スラブ基礎を採用しています。床下を持たず、床暖房用ポリブデン配管を埋設した基礎は、夏にも冬にも有効です。
 
   宇野忠秀  




 住まいづくり講座 VOL5  外断熱、外貼断熱の話












 
「冬中、家中温かい家」、つまり、使う部屋だけ暖房する、とか、リビングにいるときだけ暖房するのではなく、冬中、家中というぜいたくな話なのです。それを、いかに少ない光熱費で実現するかが、「次世代省エネルギー基準」の思想です。
 
これには、欧米並みの寒さに対する快適さが普及しつつあることと、温度の低い壁の中や窓ガラスに、集中して起こる結露を減らそうという目的があります。
 
壁体内結露を防ぐ方法として、内壁にペーパーバリアを施工することで、室内で発生する水蒸気の進入を減らす方法が一般的ですが、壁の中の温度を、結露やカビが発生する領域にまで冷やさない、つまり、壁の外で断熱し、壁の中の温度を室内の温度に近づけることです。より確かな方法と言えます。
 
外貼断熱は壁の中の充填断熱を補充し、かつ壁体内結露対策として、北海道から普及しました。ダブル断熱とも付加断熱とも言われます。
 
日本の家が寒いのは、基礎の換気口から入った冷気が床下から壁の中を伝い、小屋裏から外へ向けての気流ができるからだ、と、気流止めの必要性を提唱も、北海道からでした。
それらの解決に一番有効なのが、基礎から屋根まで
すっぽり外で断熱する方法でした。
 
外ダブルに断熱する方法が本州では、外だけとなり、外張り断熱として普及しましたが、構造の外に断熱層を作ることは、その外の外壁の重量を支える金物を、一定以上に長くできず、断熱能力に限度が生じます。
 
パッシブなソーラーハウスを指向する、きなりの家は、小さなエネルギーをも大切にしたいと考え、ダブル断熱(付加断熱)を採用しています。。
 
   宇野忠秀  


 住まいづくり講座 VOL4  蓄熱と床暖房

 
パッシブソーラーハウスの原点
 
熊本での講演で、ある建築会社の社長さんからの質問です。「コンクリートの空倉庫に、夏の熱を蓄え、冬に利用したいと考えている。どうか?」壮大な考えですが、蓄熱という概念に違いはありません。
 
海は、もう木枯らしが吹きかけているのに、海中の水温は、まだ結構あったかい ものです。
たいへん大きな熱容量が温かさを残してくれています。
 
昼の暖かさを、ほんのちょっぴりでも寒い夜に使えないか、それがパッシブソーラーハウスの考え方です。したがって、貯めるモノ、コト(蓄熱)と保温すること(断熱)が重要になるわけです。
 
ソーラーハウスは70年代、石油ショック後、欧米から大きな動きとなり、以降静かに定着してきました。
また、今、温暖化に抗して、熱くなっています。「住宅の暖房や給湯には電気を使わないで、太陽エネルギーで賄えないか。」という取組みです。電気を熱に変換するロスが問題になっているのです。きが重要なのです。
 
きなりの家では、蓄熱やその方法、効果又その快適さなど詳しくお話ししたり、体感していただいています。
 
   宇野忠秀  


 住まいづくり講座 VOL3  あたりまえの床暖房の話
 
「床暖房の家に棲むと、エアコンやストーブの部屋が苦痛に感じるようになりました。これが本当の快適!なんだなと」快適さについてふれましたが、家全体がやわらかい温度に包まれる、「空気がやわらかい」ことです。
そのキーワードは「低温」で「家中」、「冬中」ずっと、さらに、「太陽の熱も一緒に貯めよう」です。
 
冬中、家中寒くない家を省エネにするためには、大きな断熱性能と蓄熱能力が欠かせません。
それに、太陽熱をしっかり貯めること、と、低い温度で寒くない環境をつくることです。建物全体の仕組みです。それが、パッシブソーラーハウスの基本です。
 
一般の床暖房は、人がいる時、いる部屋を暖める間欠型です。使うとき、高温で急速に立ち上げます。低温やけどの話が出るほど床だけ高温にする。壁やまわりの温度が低く、寒さを感じるのでさらに高温にするのです。
 
床には、床断専用のフロアーが必要で、自然の木が使えません。快適さに大きな違いがでるのは当然です。
室温が27〜8度でも寒く、「20度もあれば、体がホカッと、温まって、快適」そんなお友達の家を訪れ、実感される方々。それは、欧米の普通の床暖房です。
 
会社訪問した韓国出身大学院生に「日本はいかが?」の質問に、「東京の住まいは寒くて!」オンドルの歴史の国。彼女は、生まれてこの方、床暖のない暮らしを経験していませんでした。「勿論、友達の家も、ソウルでの学生アパートでも」ですって。おどろきです。
 
冬中、家中、空気がやわらかい、低温で快適
そんな床暖房を私は「あたりまえの床暖房」と呼ぶことにしています。
 
  宇野忠秀   


 住まいづくり講座 VOL2  心地よさについて 暑さ寒さの定義









 
意外と知られていない暑さ寒さ
 
しんしんと冷える冬の夜、「温度計が28度なのにまだゾクゾク寒い」しかし、20度しかないのに半袖で過ごす人がいます。外には雪が降っているのに。と言うと、なにやらわからなくなります。
 
寒いとき、Tシャツだけだと寒いので、フリースを着てセーターを羽織るとずいぶん温かくなります。体温の奪われ方が小さくなりました。
しかし、未だゾクゾク寒いのは、床が冷たくないですか?壁や天井の温度が? そこから冷え込む?
 
実はもう一つの服、家という服。そこから冷え込む?熱い壁の前に立つと、熱の放射を受 けてムンムンします。氷の壁の前だと、体から熱が奪われていくのを感じるほどです。それが放射損失です。
 
暑さ寒さは、体で作る産熱と奪われる放熱で感じます。熱をどんどん奪われていくとき(放射損失)、体はせいいっぱい熱の生産をしなければなりません。それがゾクゾクと寒いのです。
 
寒さ暑さは、人の周りの温度、床や壁、天井の表面温度(周壁面温度 MRT)と室温できまるとされています。
その平均、例えば、室温20度、MRT20度の時と室温30度、MRT10度の場合、同じ平均値ですが、後者はムンムンゾクゾクしていて、放射損失のない前者のほうが明らかに快適です。
 
体が通常の熱生産をしなくても冷えることがない時、放射損失がない時が、冬、特に心地よく感じるのです。
 
 きなりの家で体感できます。
 
   
   宇野忠秀  


 住まいづくり講座 VOL1  家という もう一つの服

 
人は衣服で、心と体を包み、暑さ、寒さから身を守ります。
建物も、人にとって身近で大切な環境です。
 
シックハウスなどを研究する建築生物学(バウビオロギー)では、衣服は第二の皮膚、建物は第三の皮膚と呼びます。
外界や外の気候から人を守る建物が、人の健康にとって、皮膚のように重要な意味を持つからです。
 
自然素材、無垢の木で作るきなりの家。
人体の入れ物である建物も生成りの肌着をまとった健康な服でありたい、との願いからのネーミングです。
骨太の木が見えるインテリアには、人の心を包み込む力があり、いつまでも家族の暮らしを見守ってくれるかのようです。
 
ずっと着続ける、家という服へのこだわりは、家族のライフスタイルへのこだわりにちがいありません。健康で、ちょっぴりオシャレ・・・
いつまでも好い時間が・・・
町の景観にたいしても、オシャレで。
 
家という服は、結露や暑さ寒さにも大きく関わります。
次講をご覧下さい。
 
   宇野忠秀