緑を感じる空間が生み出す贅沢な癒し
内なる遊び心を開放する 設計:田中賢二・中奥菜摘/施工:岡伸紀/大工:北岡義邦
カーテンを開け放して、光と緑とともに
まず希望したのは「人目を気にせずゆっくり過ごせる住まい」だった。
周囲に家々が立ち並ぶ、住宅街の一角に建つS邸。山裾の分譲地によくみられる道路との高低差のあるその区画には、南側に近接して大きな隣家が敷地に大きく影を落としていた。
そこで道路側が一段低くなった土地の形状を活かし、スキップフロアの基本構想が採用された。半地下の玄関の上、中二階のリビングは、隣家の存在を感じることなく視界を広げてくれるパノラマ窓のある居心地の良い空間になっている。その一方で、南庭に面した1階のLDKには吹抜けの大空間と大開口を実現。「外からだと想像できないほどの開放感ですね。高い位置まで窓があるので明るいし、庇があるので夏でも暑くなり過ぎることはありません」。

さらに、庭に背の高い木をうまく配置することで、目の前の家からの視線にも配慮している。「家中いろいろなところから緑を眺める生活にあこがれていたので、カーテンを閉めることなく、のんびり緑を眺めて過ごす時間は本当に贅沢」と奥様。「庭に向けて配置したソファに体を預けて、ゆっくり一杯。そんな時間が何より幸せですね」と穏やかな笑顔を見せてくれた。
キッチンやダイニングからも庭の緑に心安らぐ
スキップフロアで「遊び心」と「収納量」を満たす
開放的な吹抜けの途中にある中2階リビング
もう一つ、奥様が長年に渡り実現したかったのが、「遊び心があるスキップフロア」にすること。
スキップフロアの構成のおかげで生まれる半地下には、お客様を迎える土間スペースはもちろん、玄関には収納にも十分な広さを確保できている。「室内にあげたくない外まわりのものや、アウトドア用品なども多いのですが、ゆとりを持って収納できていますね」。間接照明や斜め配置の設計も、広さを感じる空間づくりに一役買っている。

そこから廊下の先階段を数段上るとLDKへ。視界が一気に開け、落ち着いた雰囲気のダイニングキッチンと、日の光に照らされた庭の緑が目に入る。「ダイニングも吹抜けにしてもいいかなと思っていたのですが、不思議とこの高さが落ち着くことがわかりました」。プライベートな空間だからこそ、適度な『こもり感』が心地よい。

そしてさらに歩みを進めると、吹抜けの大空間へ。「これだけ開放的で、全体としてはつながっているのに、それぞれの空間が不思議に独立もしていて、ダイニングとリビングで別々のテレビを見ていても気にならないんですよ」と奥様。それでいて声をかければすぐ届く。「家事をしていても、孤立した感じがしないのもいいですね」

リビングと同じ高さには、駐車スペースの上部を利用した収納スペースも確保。「季節ものとか、案外たくさんあるので、出し入れしやすい大容量収納がありがたいです」。そして、一番上のフロアには、ご主人の書斎とお子さんたちの個室がつづく。暮らしやすさを重視しつつ、家族がつながる、遊び心のある空間構成だ。
室内の開放感とは反対に、人目を遮りつつ美しい外観に
リビング上部の横長窓からは周囲の山々を望む
玄関を入るとすぐに、開放的な中庭の景色がお出迎え
スパのようなバスルームからも緑を楽しめる坪庭を育成中
ひとりひとりが心からくつろげる空間づくり
家族みんなで過ごすLDK以外の空間にも、それぞれのこだわりが生きている。
ご主人の書斎は、中2階のリビングを望む配置。書斎に座って作業していても、ふと視線を上げればリビングでくつろぐ家族の姿が目に入る。もちろん、たくさんの電子機器を接続できるように電源は多めに確保し、大容量の書架も設けている。

そして1階には和室と寝室。
和室は普段は開放してLDKと一つの空間として利用でき、引き戸を全て閉めれば個室としても利用可能。地窓の向こうには坪庭の緑を楽しめるほか、窓を開ければ心地よい風がLDKに通っていく。「居心地がいいのか、子どもたちはここで寝ることも多いですね」。
中庭に面した寝室の窓は東向き。日が昇ると心地よい朝日が室内に届き、自然と目が覚める。夜になると間接照明が優しい光を反射し、心地よい明るさに。「近いうちにサイドテーブルや、お気に入りのスタンドライトなども見つけて、コーディネートしていきたい」と奥様には次の目標もあるようだ。
小上がりの和室は、他の空間と一体感のある色合いにデザイン
配慮の行き届いた、使い勝手の良い水まわり
空間に馴染んでスッキリした印象のキッチン
「キッチンは壁付きのL字タイプにこだわりました」と奥様。「作業はしやすく、しかし生活感の出過ぎるものは隠したい」と要望したそう。
リビングから見ると、冷蔵庫は石張りの壁の向こう。さらにその奥にあるレンジなどの家電製品も、壁がちょうどいい具合に隠してくれる。仮に玄関からゲストが入ってきても、水栓側にも壁を設けたことで、水まわりの生活感もガード。存在感のある石の風合いは、ダークカラーの素材選びと併せて、ダイニングキッチンをより落ち着いた雰囲気に仕上げてくれる効果も。
一方、いざキッチンに立つと、コンロや水まわり、冷蔵庫と、動線が短く作業もしやすい。L字の角部分や、冷蔵庫側に設けたアイランド作業台のおかげで、配膳もラクに作業できるそう。「子どもたちと一緒にキッチンに立っても、お互いを邪魔せず作業できるのもうれしいですね」
そしてもう一つ、家事の手間を軽くしてくれるのが、ランドリールームの存在だ。中庭からの光と乾燥機のおかげで、室内干しでも洗濯物がよく乾く。また、寝室のクローゼットに直結させることで、乾いた衣類をそのまま収納。「以前に比べると、家事は本当に楽になりましたね」。

夜になると温かい光に包まれるS邸。「外から帰って来た時、夜景の美しさに感動したんです」と話してくれる奥様。「今は、新しい家ってこんなに居心地がいいものなのかと実感しているところ。これから、少しずつ時間をかけて、庭木や花を育てたり、お気に入りのインテリアを揃えたり、そうやってより自分らしい住まいに育てていくのが楽しみですね」。

取材担当 西村
色ガラスと木と石、素材のコントラストがデザインの要
ホテルのような洗面台は母娘3人並べる広さ
落ち着きのある色味のダイニング周りのインテリア
斜め設計で広がり演出。陽光のような間接照明も
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