抜け感が生み出す豊かな暮らし
坂の上に住む贅沢 設計:田中賢二、石田博/施工:藤原幹也/大工:向行政
いくつもの制約が重なる難しい敷地
Yさま邸の家づくりを語る上で外せないのは、その難しい敷地条件。
「どのメーカーさんに相談しても、『本当にここに建てるんですか?』という反応で。実際、話を詰める過程で、やっぱり無理かも・・・と思うことが何度もありました」とご夫婦は言う。

土地はもともとご主人のお祖父さまが作業場として使っていた場所で、広さは約47坪。ゆるい坂になった北東2方の道は細く、地面は道より1.5mほども下がっている。土地の形状がいびつな上に、建ぺい率50%、北面はセットバックが必要。さらに低層住居専用地域であるため、横にも縦にも面積を広げられない、そんな何重にも制約のかかった場所だ。

いくつかのメーカーや工務店にプランを出してもらったが、どこもまずは下がった地面を埋めて平らにし、その上に2階建を建てるというもの。
しかし、一定以上に盛り土をするのであれば「宅地造成等規制法」による許可が必要になり、造成にかなり大きなコストが掛かるとのことだった。
こうした中で唯一、土地の低さをそのままいかすプランを提案してきたのが『きなりの家』だったという。
モダンな外観はボリュームを抑えたデザインだが、内部の空間の広がりに驚きの声も多いとの事。
半地下・中2階のスキップフロア構造
吹き抜けへと続く中二階の板張り天井 視線の抜け感を意識した。
プランは、低い地面をいかして「半地下」の部屋をつくり、その上に中2階のスキップフロアを設けた計4層構造。
「図面を見て、もう抜群にいいなと思いましたね。半地下もそれなりに費用はかかりますが『同じお金なら、埋めるための土にかけるより、建物部分にかけるほうがおもしろいですよね』という建築士さんの言葉に納得でした」とご主人は話す。
その後、自邸と同じぐらいの坪数と予算で建てたスキップフロアの施工例を見に行かせてもらい、それが非常に参考になったそう。「こんな素敵な家がうちでも実現できるのなら、絶対に『きなりの家』で建てようとその場で決めました」。

子ども部屋となっている半地下は落ち着きのある空気感。地上とはなにかが違う独特の気配に、不思議とワクワクさせられる。
目線より少し高い位置にある窓は、外から見ると、道路面まで高さを上げた駐車場の足元になる。接道面を半地下にして建物の高さを下げることにより、圧迫感のない安定した外観を作ることができた。
半地下、中2階へと続く階段は最小限に。
キッチンからも見通し良く。明るい光が降りそそぐ。
半地下の子供室はタイル貼り。夏はひんやり、冬は床暖で暖か。
吹抜を見下ろせるデスクスペースは遠くの山も見える特等席。
外からは想像もつかないダイナミック空間
LDKは1階にダイニングとキッチン、半地下の上部となる中2階にリビングというセパレート構造。
1階に広い平面を取ることができないための策ではあるが、「横に広げられない分、上下、斜めに広がりを感じられるよう工夫しました」という設計意図の通り、空間は驚くほどのびのびとダイナミックに感じられる。

ダイニングは2階まで吹き抜け、大きな高窓から空を望む。階下から見上げるリビングは、高すぎず低すぎず、ちょうどよい距離感。リビングに上がればまた目線が変わり、上にも下にも視界が広がる。

リビングとダイニングをわけたことについて、「図面の時点では、多少不便でも仕方がないと思っていましたが、実際暮らしてみるといいことばかり。場所を変えることで家族みんな、ごはんを食べる時間、おもちゃを出して遊ぶ時間、テレビを見てくつろぐ時間のメリハリをつけられるようになりました」と奥さまは表情をほころばせる。

一方、寝室はあえて1階に。これは建築士の考えによるもので、生活に最低限必要な食事・洗濯・睡眠の空間は1階にまとめておき、将来、ライフスタイルの変化に合わせてコンパクトながら平屋感覚で暮らせるよう配慮されている。
縦の空間の広がりを見せるダイニング。大開口によりとても明るい室内空間となった。
条件の中で最大の価値を創造
ダイニングの隣には陽光溢れるテラス。お気に入りの場所の一つとなった。
ダイニングを囲む2面は大きな窓。
両面とも間近に隣家が迫るが、目の高さまで塀を設け、家と塀との隙間にたっぷりと植栽を植え込んだ。

「こんな贅沢な空間が作れるとは思いもしませんでした」とご夫婦が感激するのは、西側のテラス。隣家に囲まれているからこそ、こぢんまりとした居心地のよさを感じる。上質な板張りの屋根を設け、室内の延長のように気軽に出てくつろげる場所となった。

リビングからさらに上がった2階は、吹き抜けを見下ろす書斎と子ども部屋。階段周辺の石張りの壁面が、立体的な空間に重みをつける。
1階の水回りは、短い動線上に機能を凝縮。サニタリーやクロークは敷地境界に沿って変形させ、建ぺい率はほぼ50%と、条件の中で目いっぱいの広さが確保された。

「制約の多い土地でしたが、『きなり』さんは予想を超える発想で私たちの希望を実現し、さらに求める以上のものにしてくれることに感動しました」と奥さま。
ご主人は「他とはちょっと違うおしゃれな家にしたいけど、どうすればいいのか自分たちにはわかりませんでした。それを、なにも言わなくても全部叶えてくれたのが『きなり』さんでした」と語り、ご夫婦ともに心からの喜びをにじませていた。
石貼りの壁を中心に階段を上がると表情豊かな空間が表れる。
縦のスリット窓でとても明るい洗面。
玄関をきれいに保てるシューズクロークもしっかり確保。
魅せるキッチンは隠せる収納を配し使い勝手と両立させている。
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