TOPきなりのこだわり

土間 Dirt Floor

室内に熱を蓄える土間は、暖かさのバリアフリー。
室内タイルとの統一感で、部屋とつながる空間に。

伝統的な日本家屋には大きな土間があり、さまざまな用途に使われていました。農具の手入れや農家の屋内作業、かまどでの炊事など。土間には、外と内をつなぐ中間領域として大きな役割を担っていたのです。
その特性を見直し、趣味の作業場やペット用スペースなど、生活スタイルに合わせて様々に使える快適なスペースとして現代に再現。従来の土間としての多機能性に、部屋として利用できる快適さをプラスしました。

さらに、蓄熱性の高いタイルなどの素材を使うことで、蓄えた熱で家全体をゆるやかに暖める効果も生まれました。土間の存在が、家全体に熱のバリアフリー空間を作り出すのです。
また、室内タイルを外タイルと統一することで、内と外との一体感を生みだすなど、デザインにも配慮。きなりの家のテーマである内と外との統一感あるつながりを、より印象的に演出します。

大開口 Large Opening

光がそそぎ、風が抜ける。大きく開かれた窓は、
庭とゆるやかにつながる風景の広がりを生みだす。

大きな開口部は、陽の光と風をたっぷりと取り入れ、熱の出入りや換気をコントロールしながら、外とゆるやかにつながる風景を演出します。自然の力を利用し、自然とつながる家づくりには欠かせないきなりの家の大開口は、そうした働きを最大限に発揮するように設計されています。

たとえば、夏にはひさしで強い日射をさえぎり、冬には部屋の奥まで暖かな陽射しが届くように。太陽の光を上手にコントロールするには、季節による太陽の高さの違いを利用するため、高い位置に開口部がある必要があります。きなりの家が作る天井まで届く大きな窓には、快適な住まい方へのそんな理由もあるのです。

一方で、大きな開口部には、構造的に弱くなってしまうという弱点があります。大開口と強靭な構造という矛盾を両立する。その見事な解決法は、日本の伝統建築にありました。
写真①は、地元岡山で有名な、最古の学校建築「閑谷学校」。柱に何層にも横架材と柱を組合せ、「開口部を構造とする」ことで大開口を支えています。
写真②「コンセプトハウス きなりの家」の大開口は、これと同じ原理を利用。力強い構造美が、外部の景色を切り取ります。

構造美(架構美) Structural Beauty

実用性がデザインに。手間を惜しまず作り上げた木組みは、
そのままで美しい空間デザインとなる。

木は単なる構造としてだけではなく、その見せ方で豊かさが増します。手間を惜しまず丁寧に組み上げた構造美はそのまま、室内を演出するデザインとなるのです。
長い年月に培われた伝統的な木組みの工夫は、永く住み続けるための知恵にあふれています。その知恵を継承しながら、その場その場に最適な木組みを熟練技術者の手によって作り上げます。

小屋組み 木の架構の魅力。
「小屋組み(屋根の構造)」を見せる。

屋根を支える「小屋組み」には様々な種類があり、どれも力強く美しい構造美を持ちます。その小屋組みを、外側に断熱層を組む(外張り断熱)ことで室内に露出させ、味わい深い陰影を楽しめる空間デザインとしました。
大工さんたちの手間は何倍もかかります。でも、それによって、こんなにも「木の建築」であることを強く感じられる住まいになるのです。

実は地震に効果有り! 大量の梁を使うきなりの
木組み(床組み)地震には水平耐力を。

写真のように、天井梁が無数に並ぶデザインをよく採用させて頂いています。これはデザインだけではなく、立派な耐震設計でもあります。たくさんの梁を通常の倍以上、密に配置。それらが一塊の大きな木の「ふた」として、建物を頑強に固めてくれます。

「壁のスジカイ」、「○○壁パネル工法」など、壁の補強方法はいろいろあります。きなりの家では、天井(二階の床)組みの工夫で水平耐力を高め、地震に耐えるたのもしさを実現しました。
紙箱のふたを開けたときは、箱は少しの力で変形するのに、ふたを閉じればしっかりと形を保ちます。住宅の構造においても、壁を固めたうえで、各壁の上端をしっかりとした「ふた」で固定することで、より横の加重(地震力)に強い構造になるのです。

蓄熱床暖房 Thermal Store Floor Heating

太陽熱を基礎部分に蓄え、家全体が陽だまりの暖かさ。
ゆるやかな熱量変化で、熱を長時間上手に利用。

きなりの家の特徴のひとつ、「床暖房」。太陽熱をためて利用することで、省エネルギーでありながら健康的で快適な環境にしてくれます。
その秘密は、基礎の「蓄熱土間」。
太陽熱を床下の蓄熱土間にしっかり蓄え、その熱容量の大きさを活かして、家全体をゆるやかに暖めます。自然のエネルギーを利用しているので、燃料代を大きく節約します。

また一般の床暖房と違って、一日中、家中がおだやかな温度を保つのも特徴。床から壁や天井まで、自然な温度に暖めます。床下に暖房器を入れているわけではないので、床材を床暖房専用の素材にする必要もなく、好みや雰囲気に合わせた床材を自由に使えます。
一般の床暖房は、人がいる部屋を暖める間欠型のため、高温で急速に立ち上げます。運転を始めても壁や周りの温度は低いままなので、なかなか暖かさを感じることができません。中には、低温やけどの問題が出るほど、高温にしてしまう人もいます。床材は専用のフロアが必要で、自然の木が使えないという欠点もあります。

電気や燃料を使って部屋を暖めるエアコンやオイルヒーターでは、室内の空気だけが暖まり、床や壁が冷たいまま。床や壁からの輻射熱がないので、体感温度は室温よりもかなり低く感じます。また空気を動かして暖めるために、ハウスダストや乾燥の問題も出てきます。
「蓄熱床暖房の家に棲むと、エアコンやストーブの部屋が苦痛に感じるようになりました。これが本当の快適なんだなと」と、おっしゃる方が多いです。蓄熱床暖房では家全体がやわらかい温度に包まれ、空気をやわらかく感じるのです。
そのキーワードは「低温」で「家中」、「冬中」ずっと、さらに、「太陽の熱も一緒に貯めよう」です。

意外と知られていない、暑さ寒さの体感。

しんしんと冷える冬の夜、「温度計が28度なのにまだゾクゾク寒い」と言う人と、「温度計は20度だけど半袖で過ごせる」という人がいます。なぜその差がでるのでしょうか。
寒いときには、服の上にフリースやセーターを重ね着するものです。同じように、「家も服のひとつ」として考えれば、その答えが見えてきます。床や壁、天井の温度が暖まっていれば、家という暖かい服を重ね着しているのと同じなのです。
逆に、床や壁、天井の温度が低いと、氷の壁の近くにいるようなもの。いくら室温を高くしても、体からはどんどん熱を奪われていきます。これを放射損失といいます。
暑さ寒さは、体で作る産熱と奪われる放熱とで感じます。熱をどんどん奪われていくとき(放射損失)、体はせいいっぱい熱の生産をしなければなりません。それが「ゾクゾクと寒い」感覚です。体が通常以上の熱生産をしなくても冷えることがない、つまり放射損失が少ない状態が、冬でも心地よく過ごせる状態なのです。
体感としての寒さ暑さは、人の周りの温度、床や壁、天井の表面温度(周壁面温度 MRT)と室温できまるとされています。
その平均、たとえば、室温20度、MRT20度の時と、室温30度、MRT10度の場合は、同じ平均値ですが、後者はムンムンゾクゾクしていて、放射損失のない前者のほうが明らかに快適です。

大空間 Large Space

家中にゆるやかな繋がりを作る吹き抜け、
広々としたリビング。その大空間には、構造上の理由がある。

きなりの家が作る大空間には、快適な住み心地を追求したからこその理由があります。
吹き抜けは、奥にまで明るさを届けるよう、高い位置から採光するため。家全体がゆるやかにつながるその構造は、パッシブソーラーで家全体を一定の、快適な温度にするためでもあります。

そうした理由あっての構造と設計が、結果的に、開放感をもたらす広々とした大空間を作り出しました。デザインだけではなく、内と外が、家全体が、そして家族がゆるやかにつながりあう暮らしを実現するため。そんな理由あっての、大空間です。

パッシブソーラー Passive Solar

機械に頼らず、自然の力を活用。
太陽の高さや風の向きまで織り込んだ設計は、健やかな暮らしを実現。

人が気持ちよく快適に感じるのは、ハイテクなものでなく、森林浴のあの清々しさや、春の陽だまりを受けたときに感じる、なんともいえない心地よさです。
そうした本当の快適さ、自然に近い心地よさを活かした棲み方を見直し、陽射しや風をせいいっぱい取り入れる工夫や、建物そのものを夏涼しく、冬温かく過ごしやすく建てる技術を、パッシブな手法といいます。中でも太陽の熱や光を効率的に利用するシステムが、パッシブソーラーです。(逆に、機械でハイテクな技術を駆使する方法が、アクティブな手法です。)

もともと、日本人の住居観は、自然と寄り添うように暮らすことでした。大きな屋根と深いひさしで、夏は陽を遮り、冬は室内深く導き、広い開口で風の調節を送り込む。京の町屋では打ち水で涼風を呼ぶのが風物でした。人々は快適に暮らすためにその土地固有の方法を見つけ、実践してきたのです。
時代の流れにつれ忘れられていったそうした工夫は、エネルギーの大量消費が大きな社会問題となっているいま、再び注目を集めています。

現代のパッシブシステムは、生活水準を昔に引き戻すということではなく、自然の力を効果的に利用して、より少ないエネルギー消費でより快適に住まうことを目指しています。
それには、刻々と変化する自然条件の中で、夏と冬、昼と夜といった相反する条件を、建築レベルで克服しなければなりません。周辺環境の条件を読み、不利なところはできるだけ排除し、有利なところは最大限取り入れていく工夫が必要なのです。
パッシブソーラーを志向するきなりの家は、大きな窓とその配置の仕方に特徴があります。陽射しのための窓、風のための窓、緑の中で暮らしているように構成した窓などです。自然の力を利用し、自然を感じられる家づくりの工夫です。 パッシブな暮らしの心地よさを実現するため、きなりの家では日本本来の住居観に断熱性能と蓄熱性能を加えた、温故知新の家づくりに取り組んでいます。

100年後の家を考えるためには、100年後の地球を考えなければならない。
それが、きなりの家の思いです。

暮らしをデザインする Design Your Life

家づくりは敷地のデザインから。
ひとつひとつの土地に足を運んで、その土地に最適の住まい方を練る

きなりの家では、敷地のデザインから家づくりを始めます。
ひとつひとつの土地に足を運び、土地に立って思いを巡らせます。どこで食事をしたいか、子供が落ち着いて暮らせる場所はどこか、朝気持ちよく目覚める場所はどこか…。
隣地の窓、緑、遠くの山、風の方向、方位と太陽の動き。ひとつひとつの土地で、すべてが異なるその環境を確かめ、そこでの「心地よい暮らし方」を考えます。だから、狭小地や変形地でも、その条件と環境を活かした最適な設計を練りだせるのです。
そして、ランドスケープデザインと窓の設計を通して、暮らしのどのシーンでも、自然を感じられる「好い時」を過ごせるように。そんな家を追求して、庭もトータルに自社で設計し、つくりあげています。

「自然を感じて暮らしたい」というのは、人の深くに織り込まれた思いです。京都の民家は、縦長の敷地に中庭を抜き、緑を添え、路地を通し、風を流して、自然を楽しむ工夫に余念がありません。日本人の暮らしの文化そのものです。
そうした楽しみと喜びのあふれる暮らし方ができる家、心豊かに心地よく住まえる家を、「暮らしをデザインする」ことで生みだしています。

和モダン Japanese Modern

現代的なデザインの中に宿る、和の美意識。
長い歴史に培われた繊細な感性が、生活の豊かさを生む

繊細に自然を生活に取り込み、いきいきとした感性で生活に豊かさを生みだした、和の美意識。永い歴史に培われたその美意識は、いまも私たちの感性の中に息づいています。日本人がいちばん「落ち着く」、「ほっとする」という心地よさは、心に刻まれた和の感性が響いてこそのものです。
そんな和の美意識を、デザインだけではなく、設計から表しました。たとえば水平への広がりを意識した、低く横に広がる窓。床に座った目線で見た風景を美しく切り取るように、庭の見え方も計算して作り上げています。

住む人の自由な感性でデザインされる中にも、日本独自の「美意識」を感じられる家。そんな家を作りたいと思っています。

別荘感覚 Villa Feeling

木をふんだんに使い、緑を愛でる家。
日常の中に、 自然の中に建つ別荘を訪れたときの感動が続く。

生活のあらゆるシーンに感動のある家。それはちょうど、自然に囲まれた別荘を訪れたときの感動を、いつも感じられる家だと考えます。
たとえば、家の中で感じられる木の香りや、大きな窓からゆるやかにつづく庭の緑と空気感。木の素材感を追求し、ランドスケープと窓の設計で風景のつながりを作りだすことで、そうした「別荘感覚」を生みだしました。それは室内の構造と設計、素材選択や木組み、庭づくりの全てに配慮してこそ、実現した感動なのです。

ガレージのある家 House With Garage

建物との統一感あるガレージは、利便性とデザインを両立。
家全体が調和した美しさに。

車や自転車、趣味のガーデニング用品やアウトドア用品など、屋外に保管したいものはたくさん。そうしたものをすっきりと収めて、家の外観から雑然とした生活感を取り除きプライバシーを確保するのが、ガレージの魅力です。統一感あるデザインで、外観の美しさと利便性を両立させます。

家に組み込むように作られたビルトインガレージでは、部屋の延長として使い道がいろいろに広がります。愛車のショールームとして、または趣味のスペースとして。趣味を生活の中心に置いて、休日を楽しむ。そんな暮らしを作り出します。

断熱 Insulation

夏は暑さを防ぎ、冬は暖かさを逃がさない。
断熱性能の高さが、一年中、家中どこでも快適に。

「冬中、家中温かい家」が欲しい。使う部屋だけ暖房して、それ以外の場所は寒いままというのではなく、いつでも家全体が快適な家。しかもそれを、少ない光熱費で実現したい。
そんな贅沢を実現するには、断熱が効果的です。
断熱性能を高めることで、室内は外気の温度に影響されにくくなり、室温は一定を保ちやすくなります。そうした環境では冷暖房の効率がよく、同じように冷暖房を使っても、少ない光熱費で快適な温度を保つことができるのです。

また、断熱はパッシブソーラーハウスにおいても重要となります。昼にためこんだ太陽熱を利用して、夜に家全体を暖めるパッシブソーラーを効率的に利用するには、せっかくためたエネルギーを無駄にしないために、断熱して保温してやることが必要なのです。
きなりの家は小さなエネルギーをも大切にしたいと考え、断熱性能の高い家づくりにつとめています。

平屋 One Story House

シンプルな構造、導線でのびのびバリアフリー生活。

敷地をデザインして、プライバシーが確保された平屋は、どこからも緑が感じられ、将来の生活の変化にも対応したゆとりの空間になります。
全ての部屋に床暖房の輻射熱の温もりが感じられる室内は、24時間安定した熱的なバリアフリー空間となり、上質な快適さに包まれます。
平屋に特徴的な低く伸びやかな大屋根のデザインは、ゆとりある風格を醸します。
敷地に溶融がない場合でも、子供部屋や個室を2階に持ち上げた「平屋感覚の家」は、平屋の良さをそのままに、スペースやコストを抑えて、様座生な敷地の条件に対応可能です。

太陽光発電 Solar Power

自然の恵で快適に住まう。
100年前も100年後も変わりなく存在し続ける太陽と風を最大限活用。

資源のない日本で、唯一かつ最大限の資源、それは太陽光。
ここ瀬戸内海圏は、日照時間も長く、「省エネ」「自家発電」にかかせないのが太陽光発電システムです。
また省エネ住宅の最先端のZEH(ゼッチ:ネット・ゼロエネルギー・ハウス)による家作りには欠かせない設備となります。
太陽光発電は、電気代高騰時に、経済的メリットや災害に優れ、長く住み続ける住まいに安心を与えてくれます。

リノベーション Renovation

既存の建物や機能を変更して性能を向上させ、付加価値を与える。

リフォームは壊れていたり、汚れていたり、老朽化したりしている部分について、修復したり、きれいにしたり、新しくしたりする小規模な工事を指しますが、リノベーションとは、建物の用途や機能をよりよく向上させるために大規模な工事を行い、新しい機能や価値を建物に対して付加することを指します。
どちらも既存の建物を自分の住み方に合わせて増改築を施し、快適に住み続けるための工夫であるとともに、気軽にできるエコロジーです。これからの時代は、中古住宅を購入して、リノベーションする住まいの形も増えて行くと考えております。
新築のノウハウを活かし、コストを抑えながらも既存の建物に思い通りの空間作りをすることで、資産価値の向上を図り、新築住宅に負けない、住みやすく、美しい、3代に渡って永く住み継がれる家に変換するご提案をさせていただいております。
ぜひ一度、今のお住まいを見せてください。

木の家 Wood House

木の家は都市にある森林である。

樹木は、光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を放出すると同時に、炭素を蓄えて成長します。木を燃やすとこの炭素は、再び二酸化炭素として大気中へと放出されてしまいますが、木材として利用している間は、樹木と同じように炭素を閉じ込め続けることができます。
つまり木の家は、樹木のライフサイクルの一部として、樹木と同じ「炭素をストックする」役割を果たしていると言えます。街の中に木の家を建てることは、都市に「炭素の貯蔵庫」という、森林と同じ働きを生み出すことなのです。

しかも、木材は他の資源と違って、伐採と植林をバランスよく行うことによって、枯渇することなく使うことができる再生可能な資源です。樹木の伐採は環境破壊につながる、というイメージがありますが、植林による人工林の木材を使う木の家は、実は地球の環境負荷を軽減しているのです。
また、環境負荷のためには、建てた木の家に永く大切に住むこと、そして、壊した後の廃材の再使用も大切です。木材は適切な処理さえ行えば、そのまま再利用できます。砕いて紙に加工したり、ボード類や燃料に利用したりもできます。

近年、古民家再生や「家電リサイクル法」など循環型社会構築のための法整備など、大量消費型社会が再検討されています。建築・建設業界でも、分別解体や再資源化の義務化、都道府県知事への届け出の義務化など、建築物をなるべく壊さない方向へと規制が進んでいます。 永く大切に住める、そして壊した後もその材料を再利用していける、木の家。そんな家を目指しています。

出典:林野庁Webサイト(https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/)

Garden

都市空間に別荘感覚を実現。
自然を感じる緑と木立がプライバシーを確保し、街並みに美しさを添える。

庭と一体化した計画で豊かな生活空間。

きなりの家では、建築と造園との間の垣根を取り去り、建物と庭の一体化したトータルな計画によって、自然に寄り添う空間を考えます。

自然の風情に敏感に呼応しながら生活を営んできた日本人にとって、利便性や経済性が設計の主な要素となる現代においても、豊かな生活空間には「自然との応答」が大きなテーマであることに変わりはありません。都市部では特に、いかに敷地に自然を作りこむことができるかが、住宅設計の鍵となります。
わずかなスペースでも緑を配することで、空間の広がりは外部へとつながります。庭を造り、庭とつながる家を考えることで、生活空間の豊かさは何倍にも広がります。

たとえば、お風呂。日本人にとってお風呂は思い入れのある特別な場所のようで、「お風呂に入る時間がいちばん大切」、とおっしゃる方はとても多いものです。他のコストを下げてでも、プライベートな露天風呂のような「外に開かれたお風呂」がほしい。そんなご要望も、よくお聞きします。

お風呂にできるだけ大きな窓と、そこから見える坪庭を造る。そんな工夫で、お風呂の空間は庭の四季折々の表情とつながります。たとえ広いお風呂ではなくてもユニットバスでも、庭とつながる工夫で温泉気分の味わえる空間を作り出せるのです。

緑でプライバシーを守り落ち着きを演出。

都市部の限りある敷地においては、プライバシー確保の観点からも、庭づくりは豊かな住まいづくりに欠かせないものです。

「バーベキューのためにウッドデッキが欲しい」、というご要望をよく耳にします。ですが実際のところ、人目に曝される場所にあるウッドデッキは、あまり使われずに朽ち果てて行く運命にあります。
重要なのは、「デッキを造る」ことではなく、「その場所が食事を取る環境であるか」、ということ。つまりは、庭にも景色とプライバシーが必要なのです。そのためには、建築の窓やひさし、プランニングの工夫と、敷地を覆う「緑」の設計が大切だと考えます。

庭に木立をうまく配置して外からの視線をさえぎることで、プライバシーが確保され、森の中の隠れ家のような落ち着きが生まれます。さらに、窓の配置もあわせて工夫することで、「南向きの大きな窓にカーテンをつけない」という贅沢も実現します。街中でも、木立の中にある部屋のような開放感と自然を感じる暮らしを、楽しむことができるのです。

庭の緑で街並みを彩る美しい住まい方

季節を感じる緑や石の景色を抜けて、玄関に至る。そこには、建物がどんなによくデザインされていても、それだけでは得られない趣があります。 また庭の緑は、住む人を楽しませるだけではなく、道行く人の目も楽しませるもの。建物の前面に配置された木々は、街並みを緑豊かに飾り、道行く人を和ませます。無機質なブロック塀ばかりではなく、やわらかい緑を巡らせることは、美しく住まう家づくりへの第一歩になるでしょう。