TOP家づくり物語湖畔と四季を愉しむ家

湖畔と四季を愉しむ家

湖と空と木々を眺めながら
好きなものと好きな場所で暮らす。

こだわりに応える無二のロケーション

土間続きの玄関の先は、山林と湖が一望できるリビング

街の喧騒を離れた、岡山市の郊外。入り組んだ細い坂道を進んでいくと、その先に大きな湖が広がる。この湖のほとり、水辺の風景を一望するロケーションに、Aさま邸は建つ。
暮らすのはご夫婦と3人のかわいいお子さんたち。もうすぐ4人目も生まれるという、にぎやかなご家族だ。

とりわけご主人は以前から住宅建築に関心が高く、建てるなら全力を尽くして、心から満足のいく家をつくりたいと考えていた。そんなご主人にとっておおいに参考になったのが、周囲の複数の知り合いが建てていた「きなりの家」。どれもご主人同様にこだわりをもって建てた家ばかりで、中でもちょうど湖の対岸にある知人の住まいは、ロケーションも含めて憧れの的だったという。
知人たちからいろいろと情報を仕入れ、自邸づくりのイメージをふくらませるうちに、ついにこの湖のほとりに新たな宅地が出ることに。話を聞きつけたご夫婦は、迷わず購入を決めたそうだ。

刻一刻と変わる湖の表情を感じて

無垢床と蓄熱床暖で大きな窓でも暖かく

「朝は東からの光を受けて湖が輝いているし、夜は夜で、真っ暗な水面に月の光が映ってすごく幻想的。風が吹いて、さざなみに光がきらきら反射するのもとてもきれいですね」と話す奥さま。満月の夜には部屋の灯りを消して、家族でお月見を楽しむのだという。

設計のプランはもちろんこの無二の風景を最大にいかすことであり、リビングとダイニングの2カ所に、東南2面にわたる大きな窓が設けられた。特にリビングの窓は、吹き抜け天井いっぱいの高さまである大開口。玄関ドアを開けると、真正面からダイナミックな風景が飛び込んでくる仕掛けになっている。

どの窓も、見えるのは湖と空と周囲の木々だけ。1階居室はすべての窓にカーテンがなく、朝も夜も、晴れの日も雨の日も、ありのままの自然を感じながら暮らす。
玄関土間は広いインナーテラスとして室内の奥まで続き、リビングの床とフラットにつながる。芝生や石を敷いた庭と室内との境はゆるくあいまいで、お子さんたちは裸足のまま内外を駆け回る。
「土や葉っぱが上がることもありますけど、あまり気にならないですね。一生懸命考えて建てた大好きな家ですから、こまめに掃除して、手をかけて暮らすことが楽しいです」と、奥さまは語る。

フラットな玄関は、家の中でもベビーカーを使えたりとメリットも多い

部屋の一角をちょっとした“おこもりスペース”に

ご主人こだわりの照明は、木の造作洗面台の柔らかい雰囲気のアクセントに

大容量のパントリー収納で、キッチン周りの見える部分はスッキリ

隠れ家のような癒しのサロン

家族だけでなく、お客さんにも癒しの空間を

2階は子ども部屋とホールのみで、ほぼ1階だけで平屋のように暮らせる。
玄関収納からウォークインクローゼット、サニタリー、パントリーまでしっかりとしたバックヤードが作られているので、リビングに生活感を出さず美しい空間を保つことができる。
2階に上がる手前にはスキップフロアのスタディコーナーを設け、ダイニングとつながりながらもほどよく落ち着ける居場所を作った。

また建物北側には、奥さまの営むサロンが併設されている。ニュアンスのあるボルドー色の壁は、奥さまが自分で塗ったもの。湖の側にはもちろん大きな窓があり、豊かな自然と一体になるような感覚で施術を受けられる。
「この空間で過ごすこと自体を楽しみにして来てくださるお客さまが多いですね。『天国に来たみたい』と言って喜んでくださるのがうれしいです」と、奥さまは微笑む。

力の限りを尽くした家づくり

打ち放しのコンクリートには木目調が。無垢の空間と調和しつつアクセントに。

2年近くをかけた家づくりは、ご主人にとって常に悩み考える日々だったという。
軒の深さをどうするか、収納の配置をどうするかといったことから、照明やスイッチなどのアイテム選びまで、あらゆる問題に対して一切の妥協なく、とことん検討を続けた。「きなり」のスタッフはそんなご主人の想いを丁寧に形にしながら、要所で的確な提案をおこない、全体をまとめていった。

室内の建具やキッチン収納の面材、洗面カウンターといった数々の造作は、ご主人が自分で家具工房「ELD」にオーダーして持ち込んだものだ。
「オーダーしたいと言っても、サイズの決め方も施工の段取りもわかりませんから、結局設計士さんに打ち合わせに同行してもらい、全面的に助けていただいたんです。『きなり』さんでなければ、これほどのわがままを受け入れてもらうことはできませんでしたよね」と、ご主人はしみじみと話す。

住み始めてからも、家に置くものすべてひとつひとつ吟味し、本当に気に入ったものだけを迎え入れる。家具などは北欧やミッドセンチュリー、日本の民芸品など多様なテイストが混在するが、上質かつシンプルな空間にそれらが自然と溶け合い、Aさん一家らしいスタイルが作り上げられている。

家づくりを振り返り「今はもう、やり切った気持ちです」と、満足の表情を見せるご主人。どんなリゾートに行っても我が家に勝るものはなく、ご家族みんなすっかり出かけることがなくなったという。

2階ホールの窓からは道路の桜を眺められる

琉球畳の和室はモダンな雰囲気に

スキップフロアのスタディスペースは、フロアの高さが変わるとまた違った眺めに。

寝室も壁もサロンと同じ塗り壁に