TOP家づくり物語心ときめく家

冬暖かい家で暮らしたい

南側に大きな開口を設けた明るいキッチンダイニング

子育て最中の時期に中古住宅を購入し、約15年間住んできたYさん家族。お子さんが2人とも巣立っていき、ご夫婦とワンちゃん2匹・猫ちゃん2匹との暮らしに落ち着いてきたところで、かねてより希望していたリフォームに踏み切った。

平成8年築の丁寧に施工された木造住宅ではあったが、冬場の冷えに長年悩まされていたという。そのためリフォームの第一の目的は、建物の性能を上げて暖かく暮らせる家にすることだった。
そしてやはり間取りの面でも、南全面を畳の客間が占めるなど、昔の住まい特有の不都合な点が多かった。子育てが終わってライフスタイルも変化したため、今の暮らしに合う家になるよう、ここで一新するメリットは非常に大きいといえた。

「きなりの家」は、もともと住宅を購入するときから気になる存在だった。「当時は憧れで終わっていましたけど、今回改めて見に行かせてもらうと、担当の方も親切だし、リフォームでも全館空調システムの施工ができるとのことで、この際すべてお願いすることにしました」とご主人は話す。

空間のムダを省いて有効活用

犬猫たちと一緒に過ごせる寝室は土間リビングと繋がり明るく開放的に

床や壁は一旦撤去し、しっかりと断熱を施した上で全館空調システムを施工。南面の窓は断熱サッシに入れ替え、その他の窓には内窓を取り付けた。躯体の状態をよく確かめながら、抜ける壁や柱は抜き、補強すべきところに補強を入れて、1・2階とも全面的にリノベーションした。

もとの間取りは広い玄関から廊下が伸び、その左右に2室の和室、北側奥にキッチンとダイニングがあるという昔ながらの造り。
「家自体の面積は充分に広いのですが、廊下や客間、使い勝手の悪い押入れ、空いた子ども部屋などに圧迫されて、実際に使える空間はとても少ないことが不満でした」と奥さまは話す。
そこで、和室と廊下をなくし、建物西側に明るく広々としたLDK、東側にタイル張りのインナーテラスと寝室を配置。キッチンすぐ裏の北面に浴室とサニタリー、ウォークインクローゼットをゆったりと並べた。

テラスは主にワンちゃん猫ちゃんのスペースとなっており、一角にキャットタワーを兼ねたペット用品コーナーを造作。アーチ型の間口の両脇に、目に見立てた2つの丸窓を設け、コミカルな顔のようなデザインに仕上げた。

コミカルな顔のようなデザインに仕上げたワンニャンハウスがある土間リビング

全館空調により冬でも暖かい洗面脱衣室

ゴールドの塗り壁とラピスブルーの手洗いボウルが映えるトイレ

WICと洗面脱衣室をつなぐ洗濯乾燥室

気分の上がる「遊び」を取り入れて

家の中心を貫くダクトは全館空調の象徴、あえて見せるデザインとしている(写真左) 階段を上ると正面には森の風景が描かれたお気に入りの壁紙が現れる(写真右)

階段下から見上げた先にある壁は、この家のひとつのシンボル。2.5m四方ほどの壁面いっぱいにかわいらしい森の風景が描かれており、目に入るたびに心がふわっと明るくなる。絵画のように見えるがこれは輸入壁紙で、2つの窓を避けながら絵柄が一番きれいに見えるよう、職人がミリ単位で位置を調整して貼ったという。

2階は個室をなくし、フロア全体をオープンなリビングルームに。東全面に巨大なAVボードを造り付け、コーヒーに凝るご主人のためにミニキッチンもあつらえた。
「1階とはまた違った居心地のよさがあって、くつろげますよ。2階までしっかり活用したいという希望が叶えられました」と、ご夫婦そろって笑顔を見せる。

全体は天然木と珪藻土の上質な素材感でまとめながら、ピンポイントで思い切り弾けるのがYさまらしさ。1階のトイレはゴールドの塗り壁にラピスブルーの手洗いボウルを合わせ、アラビアンな雰囲気を醸し出す。ダイニングのシャンデリアやガラスのペンダントライトなど、随所に愛せる品を取り入れた。

リフォームを機に家じゅう断捨離

スッキリ見せつつ必要なところに必要な収納を設けた機能的な製作キッチン

リフォームによって収納の使い勝手が改善されたことはもちろん、これを機に自分たちで大量の不用品を整理したことが、なにより大きな成果となった。
「押入れの奥深くにしまい込んだきり忘れていたものが山のようにありました。なんとなく捨てられずに取っていたものも思い切って処分し、すごく身軽になりましたね」と奥さまは笑顔を見せる。

衣類は物干しから取り込んですぐクローゼットへ、薬や文具などの小物は出し入れしやすいキッチン横のパントリーへ。造作のオープンキッチンは背面にもダイニング側にも計画的に収納が設けられ、食器や調味料をすべてすっきり隠してしまえる。
2階リビングのAVボードも、まだまだ余裕の収納量。テレビ両脇にご主人と奥さまそれぞれの「推し」アイテムを飾り、心ときめくコーナーを作っている。

真冬の2月に完成し、家じゅうの暖かさに感動したというご主人。「今まで不満だったところをすべて解消する家を作ったので、そりゃ住み心地は最高にいいですよ。長く住み続けてきた家だからこそ、ここまで満足いくリフォームが実現できたんだと思います」。

新しくした玄関扉と残した玄関庇、新旧の良さを活かした

ガラス作家さんによる一点ものの照明が、生まれ変わった玄関を演出

南庭には犬走をプラスし、お庭の手入れもし易くなった

北側には坪庭と屋根付きの犬洗い場を設けて機能的に