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庭と陽光を感じる家

吹き抜けとプライベートガーデンのある暮らし

都市部でありながら、光あふれる暮らし

化粧垂木が繊細なエントランス

「入居した日、小学校1年生の長男が『空気がおいしい』と言ったのが忘れられません」というご夫妻。新居は住宅やビルが立ち並び、人や車の往来も少なくない都市部のただなかに立地している。
「きっと、天然木や珪藻土・漆喰といったナチュラルな素材があふれているからですね。庭とリビングが一体化していて、緑が間近にあることも関係していると思います」。
家づくりを「き」なりの家に託したのは、「あの家すてきだなと思ったのが、ことごとくきなりの家だったんです。外観の佇まいの美しさに加え、庭と住まいのバランスを考えた設計に強く心を惹かれました」。
そして、「敷地の南に建物があるため、光をうまく取り込みたい」というのが一番のこだわりだった。その願いは、爽快な吹き抜けで開放感を演出したリビングと、その南側に設けたプライベートガーデンにより実現した。「庭は、外部から見えないように塀の高さや配置を工夫しているので、リビングの一部という感覚です。庭から光と風を存分に取り入れることができ、自然な明るさの中で過ごす心地よさを改めて実感しています」。

庭は、住まいの一部として欠かせない存在

都市にいながら、家庭菜園や緑を日々楽しむ庭

「この家で一番好きなのは、リビングやキッチンにいて眺める庭」と顔を見合わせるご夫妻。庭づくりでは、設計士の提案をもとに、自分たちのアイデアも組み入れて、何度もプランを練り直したという。芝を敷き詰め、植え込みスペースには自然石を積み重ねてナチュラルな趣に。一部を家庭菜園にしたり、植栽にレモンの木などを採用したのはお2人のリクエスト。
リビングとの出入り口は深い軒で強い陽射しを防ぎ、縁側を設けて和の演出を取り入れた。その西側はタイル貼りにし、夏はプール遊びをするなど、多目的に使えるコーナーに。
「日陰の部分も大切だと思ったんです。そういう価値観を理解して、数々の提案をいただいた賜物がこの庭。タイル貼りの場所は当初ウッドデッキのつもりだったのですが、タイルを提案していただいて使い勝手もよく、すてきな空間になったと思います」。
「子どもたちもリビングと庭を行ったり来たり。虫を見つけて驚いたり喜んだり」と、庭が暮らしの一部として欠かせない存在になっている。

窓枠を隠す構造柱

奥行きのある玄関土間

トイレも無垢の風合い

温もりある造作洗面台

暮らしやすさと美しさ、そして寛ぎを両立

利便性に優れ、デザイン性も兼ね備えるキッチン背面

奥様が感心するのは、「生活動線がスムーズですし、思った以上に収納が充実している」ところ。玄関とサニタリーの間には大容量のクローゼットを設け、双方から出入りできるように。パントリーや階段下を生かした収納など、「使うところにしまえる収納になっているのが便利」。しかも、「一見、収納があるように見えないので、家全体のテイストが保たれています」という。
キッチン収納や建具はオリジナルでつくられたもの。タモの柾目が自然光に美しく映え、ナチュラルな世界観を際立たせる。また、玄関ホール正面には和の趣の飾り棚をしつらえた。「鎧飾りやひな人形などを飾って楽しみたい」というご家族の暮らし方に寄り添ってつくったものだ。
一方、「機能性の高さもきなりの家だからこそ」というご主人の一番のお気に入りは床暖房。「無垢のヒノキのフローリングから、心地よい肌触りと温もりが伝わりますし、玄関を開けた瞬間、温かさを感じたのには驚きました」。
また、「窓の配置も絶妙。天井ギリギリの位置に窓があるので、外の視線や雑音を気にせず寛げます。寝室も窓をあけたまま寝ても気にならないほど」と、日々暮らしやすさへの信頼を高めている様子だ。

家族の今と未来を支える舞台

プロ仕様の菓子専用厨房

「気づいたら、何でもすぐ電話をして質問したり、相談したりしていました。変更にも、柔軟に、より一層練ったプランを示してもらえました」と、ご主人。
例えば、プランがほぼ固まった後、3人目のお子様ができ、急きょ設計を変更した。現在は仕切りを設けず、ひとつの空間として使い、将来は3人のお子様それぞれの個室にできるようにした。
「自分たちの漠然とした話をしっかり受け止めてもらえ、どんどんいい家になっていく実感が持てて、楽しい家づくりができました。いま現在の私たちの暮らしだけでなく、将来も見据えてくださっている点にも感動しました」。
実は、この家には製菓専用厨房がある。アレルギーをもつお子様のために、卵・牛乳不使用のお菓子づくりを研究してきた奥様。「子どもが大きくなったら、本格的にお菓子の製造・販売に取り組みたい」と夢を描いている。
この住まいは、ご家族それぞれの未来を支える世界に一つの舞台。その美しさと暮らしやすさで、かけがえのない時を重ねてゆくことだろう。

ダイニングからの眺め

深い軒の意匠が特徴

版築の壁が玄関で迎える

白い壁が印象的な外観