TOP家づくり物語陽に寄り添う家

気持ちよく視界が開ける高台の地

敷地に対して斜めに建てることで、奥行きの大きなお庭ができた。

「目の前に建物のない、視界の開けた場所に住みたい」と希望したTさま夫婦が選んだのは、丘陵地に広がる住宅団地の一角。まさに希望の通り、道の向こうは遮るものなく、遠くの山まで広々と見渡せる。

「きなりの家」を知ったのはインスタグラムから。知り合いにもオーナー様がいて、興味をもったそう。

「コンセプトハウスはもちろん、見学会やオーナー様宅も10棟以上見に行かせてもらいました。モデルハウスが豪華でも、実例となるとイメージが違うということはよくあると思いますけど、きなりさんはそれが一切なく、どの家を見てもそれぞれに『きなりの家』らしい魅力が感じられて、ぜんぶ素敵でした」と話す。

具体的な間取りの要望は事前にほとんど出さず、敷地を見に来た設計士の「この土地に合う家を考えてみます」との言葉に委ねたという。
敷地は南北軸に対してほぼ30度振った南東向き。ここに、真南にメインの窓が向くよう斜めにリビングを突き出し、北西側は敷地境界に沿って階段状に水回りの空間を収めている。

窓を真南に向けることで1年を通じて日照を確保でき、また敷地に対して建物を斜めに振ることで、奥行きのある広い庭を設けることができる。

手持ちの家具となじむ、落ち着きを感じる内装

新築部分の木部と持ち込みのさしこうの家具でより上質な空間に。

東に突き出した形のリビングは、南北2面に大きな窓と庭が設けられ、開放感満点。室内のどこにいても、みずみずしい緑の庭と、塀越しの空が視界に入る。

床は継ぎ目のない一枚ものにこだわったチーク材。
スタッフは「普段、継ぎ目を意識することはほとんどないでしょうが、部屋全体に貼って比べてみると印象は全然違うんですよ」と話す。木目が長く連続するのですっきり見え、より上質な雰囲気を醸し出す。
南へ下る勾配天井は、リブ加工のスギ材。天井面を美しく見せるため、照明は周囲の間接照明のみとした。
壁は全室、やわらかなクリーム色のクロスで統一。テレビのある壁面のみ、同じクリーム色の珪藻土の塗り壁にしている。
「ここはアクセントウォールにしたいという希望があったのですが、床と天井が濃い色ということもあり、異素材をもってくるとごちゃごちゃしてしまう気がして。悩んでいるとスタッフの方から『同じ色の塗り壁にして、質感だけ変えてもアクセントになりますよ』と提案していただいたんです。自分たちでは思いつかなかったし、実際これ以外にないという仕上がりになりました。また、夜になってテレビの上のダウンライトをつけたら塗り壁の模様の陰影が見えてすごくいい雰囲気になります。」と、ご主人は笑顔で話す。

高さ1.8mの塀で、道路からの視線を気にせずお庭を楽しめる。

北側に高窓を設けることで、南北の高低差で自然に換気できる。

北側に視界が抜ける玄関。ご主人ご要望の石のある坪庭が迎えてくれる。

鏡の上下に広がる間接照明で、ホテルライクな洗面所に。

くつろぐ空間と、機能を求めるゾーンとを分離

ご主人こだわりのトレーニングルーム。 奥の建具の上が抜けているのは廊下に光を入れるために開口した。

玄関から廊下を通ってリビングに出る動線のほかに、玄関から直接キッチンへ入るルートと、シューズクロークからクローゼットを通り抜けるルートとの計3本の動線が設けられている。
「買い物から帰ってとりあえず荷物をキッチンに置き、クローゼットを回って着替えてからキッチンに戻れるので、すごく便利。いろんなことを考えて設計してくださっていることが、暮らしてみてよくわかります」とご夫婦は語る。

建物中央の廊下を西奥へ進むと、そこからは完全にプライベートなエリア。
サニタリーと主寝室の間には、ご主人念願のトレーニングルームがあつらえられている。一段下がった土間の上に、厚さ5cmのゴムマットをご主人が自分で敷き込み、パワーリフティングのトレーニングセットを備え付けた。
浴室もランドリーも部屋を出てすぐ。贅沢な空間だが、「外のジムに通うよりは家にいて、子どもの面倒を見ながらスキマ時間にやってもらえるほうがいいですからね」と奥さまも話す。

光と風、緑を感じる心穏やかな暮らし

キッチンからも、お庭と空へ視線が抜ける。 キッチン周りはご夫婦こだわりのタイルで統一感のあるお部屋のアクセントに。

南の庭は美しい芝生が敷かれ、一角には大きな石を配置した、里山風の植栽が施されている。
「住み始めてからもきなりの会長さんが庭を見に来てくれて、根付かなかった植物を取り替えてくださったり、手入れのアドバイスをしてくださるんですよ」とのこと。
坂の上から視線が入りやすい立地のため、庭は背丈ほどの高い塀でぐるりと囲まれている。プライバシーとともに安全も確保できるので、お子さんが外に出るようになっても安心して遊ばせられる。

5ヶ月になるというお子さんは、無垢の床で気持ちよさそうに手足をパタパタ。縁側でひなたぼっこも、親子の楽しい時間だという。
「まだ思うように外出できない今のうちに、のびのびとした家に移れてよかったです。毎日家にいても息が詰まらないどころか、本当に心地よく過ごせています」と奥さまはにっこり。
これからお子さんの成長とともに、住まいにも家族の暮らしの跡が刻まれ、少しずつ色艶を増していく。

リビングの勾配天井と同じ杉板が、玄関入ってすぐ迎えてくれる。

床暖房を採用したため、玄関、廊下、各部屋へのドアを最低限にしても暖かく暮らせる。

階段下のスペースは、奥様のアップライトピアノがぴったり入るスペースに。

将来大型犬を飼ったときに、お子さんとわんちゃんが走り回れるお庭に。